ここ数年で稼げる投資対象や決算手段として広く知れ渡った仮想通貨ですが、国からすれば不安要素が多くその存在自体が懸念されています。
しかしある国では、財政危機を回避するために政府自らが仮想通貨の発行を始めるところがあります。
絶え間ない経済制裁や貿易摩擦
経済制裁による北朝鮮の手のひら返しや、中国と米国の貿易摩擦、メディアでは連日のように海外の経済情勢が取り上げられています。
日本も経済外交に関しては多くの問題を抱えていますが、海外との関係が上手くいかなくなるということは、国の経済が破綻するかもしれないということ。
実際に、それらが原因で財政危機に直面している国があります。
ベネズエラが財政破綻!?
現在のベネズエラは、欧米諸国からの経済制裁により普通の生活もままならない危機的な状況を迎えています。
輸出は大きく減少、国債も発行出来ず、結果ベネズエラ国内では物価が急激に上昇。
そのインフレ率は驚愕の6,000%以上!
もはや数字の打ち間違いかと思うほど異常な数値となっています。
例えば120円の缶コーヒーを買おうとした場合、その金額は7,000円以上になるということ。
たった一杯のコーヒーに7,000円…想像を絶する金額ですね。
物価が高いので一般的なスーパーにも何一つ商品は並んでおらず、それだけのインフレが起きれば当然紙幣の価値もありません。
紙幣がただの紙切れ同然なので、中には紙幣を材料にして物作りをする人もいるほど。
とても現実には思えませんが、今まさにこんな状況なんだそうです。
打開策は「仮想通貨」
このような財政破綻を迎える可能性は日本もゼロではありません。現実には思えないと言いましたが、他人事ではないのです。
しかし、そんな危機的状況の救い手となるかもしれないのが「仮想通貨」です。
仮想通貨には「簡単に追跡出来ない」という特徴があります。つまり裏口を使った資金調達が出来るということ。
事実、不正送金の被害にあったコインチェックでは結局犯人を突き止めることは出来ず、最終的にNEM財団も追跡を打ち切りました。
それだけ第三者が容易に介入することは出来ません。
経済制裁を受けてしまい他国とのお金のやり取りが困難になっても、仮想通貨を利用することでその問題は解消されます。
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政府が発行するのは世界初
財政危機を乗り越える有効策として、ベネズエラは世界で初めての「政府による仮想通貨の発行」を行いました。
その通貨というのが「ペトロ」。
発行により政府は資金調達が出来たとのことですが、経済制裁の抜け穴として発行されたこともあり、いくつか問題もあるようです。
何にせよ、投資家にとって新しい通貨の誕生は注目しておきたいですね。
気になるのは今後の規制強化
このように仮想通貨は、一国家が頼るほど素晴らしい通貨ではありますが、その特徴故にマネーロンダリングやテロの資金源、ネット犯罪(不正送金)の温床にもなっています。
問題が多いため特定の国では取引所が次々に閉鎖されたり、新たな規制が設けられることも少なくありません。
規制内容によっては仮想通貨の今後の在り方が大きく変わってくる可能性があるので、常に情報は仕入れるようにしましょう。
現物資産にも注目
法定通貨の価値がなくなることで注目を浴びるのは仮想通貨だけではありません。
例えば、「金投資の危険性は極めて低い!実物資産「金」の4つの魅力」でも書いたように、金地金も魅力的な有事の資産になります。
資産は現金のみで保有するのではなく、仮想通貨や金、プラチナなど、いくつかに分けて保有するようにしましょう。
まとめ
エストニアのICO参入もそうですが、仮想通貨の運用を国家の一大プロジェクトにする動きは最近では珍しくありません。
厳しい規制をかける声があるのも事実ですが、規制により仮想通貨が淘汰される可能性はかなり低いでしょう。
私自身これからも仮想通貨は有効な投資対象に変わりありません。
そういえば、不正送金被害でおそらくほとんどのユーザーが離れていったであろうコインチェックですが、約36億円でマネックスグループに買収されましたね。
国内トップを走っていた取引所とはいえ、あんなことが起こってしまったら確かに自社ブランドは無いに等しいでしょうからM&Aは仕方のないことかもしれません。
仮想通貨事業は夢がある分、一瞬で転落する危険性もはらんでいることが分かりやすい例となりました。