苔ビジネスの具体的な始め方からその魅力まで、誰でも簡単に入手することができる苔(コケ)を使った稼ぎ方を詳しく解説します。
苔は自然の生態系や森林を守る地球にとって欠かせない存在なだけでなく、ふわふわな感触やモコモコとした愛くるしい見た目は多くの人を虜にしています。
苔に興味がある人は、ぜひ育て方や販売方法など参考にしてみてください。
日本は苔大国!誰でもできる苔ビジネスの魅力
苔は世界だと約18,000種類現存し、日本だけでも1,700〜1,800種類の苔が存在します。なぜ日本に多くの苔が存在しているのかというと、それだけ日本が苔にとって適した環境だからです。
苔にとって湿気はとても重量で、降水量が多い日本だと苔もすくすく育つため、日本は世界屈指の苔大国であり苔ビジネスをするにはもってこいの環境ということになります。
苔を大量に使った庭園や苔玉といった盆栽など、園芸を趣味とする人はもちろんのこと、苔テラリウムなどを単純にインテリアとして飾る人も増えました。苔をプレゼントや贈り物として選ぶ人もいるそうですね。
そして苔ビジネスの魅力はなんといっても初期費用がほとんどかからないことです。
増やす元となる苔は比較的どこにでも自生しているので、手に入れるためにお金を必要としません。仮に購入する場合でも、安価な種類であれば数百円程度で販売されています。
苔と他の植物の違い
そもそも苔は他の植物とどう違うのか。その違いから知っておきましょう。
苔の大きな特徴の1つとして、根っこを持っていません(張り付くための組織はあります)。一般的な植物の場合は根っこが存在してそこから栄養や水分を吸収しますが、苔には根が存在せず、栄養も水分も葉や茎から直接吸収する仕組みになっています。
多少枯れても水を与えることで復活する生命力の強さも苔の特徴でしょう。
また、一般的な植物は土に根を張り生育しますが、苔は土の上に限らず岩や倒木の表面にも自生して成長します。
ただし後述しますが、ガラス容器などに入れて育てる場合には、底に用土を敷いて育てる必要があります。
苔を採集しに行く
苔を育てるためには、何よりまずは苔が必要です。前述したように苔は自分の足で採集しに行くか購入するかの2択になりますが、やはりおすすめとしては初期費用はかからないに越したことはないので自分で採集するのがいいでしょう。
苔は田んぼがある場所や川が流れているような湿気の多い場所であれば基本的にどこにでも生えています。珍しい高価な種類を採集するのは簡単ではありませんが、ハイゴケのようなポピュラーな苔であれば簡単に見つけることができます。
田舎などの自然の多い場所であれば宝の山です。コンクリートだらけの都会よりよっぽど色々な種類の苔を採集することができるでしょう。
苔を採集する方法
苔を見つけたら採集して持ち帰りますが、その際は崩れてバラバラにならないよう丁寧に張り付いた苔を剥がします。
素手で剥がすこともできますが、ヘラを使って少しずつ剥がすのがいいでしょう。
剥がした苔は霧吹きである程度水分を与えてからビニール袋などに入れます。
注意点として、苔は採りすぎないようにしましょう。その土地に自生する苔は自然にとって大変重要な存在で、大量に採集することで生態系に影響を与える可能性もゼロではありません。必要な分だけ採集し、あとは自分で増やすようにしましょう。
以下は採集に必要な道具です。
- ヘラ
- 水を入れたスプレー
- ビニール袋
初心者でも大丈夫!苔の育て方とコツ
苔の育て方は特に難しいことはありません。一般的な植物を育てるより比較的簡単です。
育てる際に最も重要なのは苔を置く場所です。苔は水と光さえあれば生きていけるので、その2つを適度に与えてあげることができれば問題なく成長します。
場所は暗すぎない日陰が理想で、基本的には屋外に置きます。ただし直射日光を当てるのは厳禁なのでご注意ください。
屋内でも育てることは可能ですが、全く日光が当たらないのも苔にとっては良くないので、例えば玄関にインテリアとして飾りたい場合は適度に外へ出して日の光を与えてあげましょう。
また、苔は乾燥にも弱いので、夏場なら毎日朝に1回、冬場なら乾燥しない程度に霧吹きで水を与えます。乾燥しやすいようなら水を与えた後に軽くラップをかけておくのも乾燥を防ぐコツです。
夏の暑さは苔もダメージを受けるので、必ず温度が低い涼しい場所で育てるようにしましょう。
まとめると、苔は少し光が当たる程度の日陰に置いて、定期的に霧吹きで水を与えるだけで立派に育ちます。
苔の増やし方については以下の記事をぜひ参考にしてみてください。

フードパックやガラス容器に入れて販売しよう
成長した苔を販売する時は、まずは苔を販売するための容器へ入れましょう。
ネットやアプリを使って販売する場合は発送することになるので、発送中にバラバラに崩れないよう容器はフードパックのようなプラスチック容器や、ガラス製の容器へ入れます。
ガラス容器の場合は購入者もそのまま容器から出さずに育てる可能性があるので、容器の底に砂利や根腐れ防止剤を入れて、その上に用土を敷いて苔を入れれば根腐れするのを防ぐことができます。
パックの場合は少し用土を入れてもいいですし、発送に時間がかからなければそのまま苔を入れても問題ありません。
苔玉として販売する場合は、パックなどには入らないので、縦に長さがあるガラス容器かペットボトルを切って中に入れるのがいいでしょう。
その場合は発送する際に必ず配達員が分かるように「横倒し厳禁」や「天地無用」と記載しておくと注意して運んでもらうことができます。
販売先はメルカリがおすすめ
苔を販売するならフリマアプリのメルカリがおすすめです。他にもありますが、使いやすくてユーザー数も多いメルカリを利用するのがいいでしょう。
出品した苔が売れたら、郵便局から第四種郵便の「植物種子等郵便物」として発送することで送料は安く抑えることができます。
珍しい種類の苔でなければメルカリでの相場は数百円程度と安いので、送料を抑えながら薄利多売で利益を出していくのがいいでしょう。
まとめ
苔ビジネスを始めた人はそれだけで生計が立てられるほどの収入になった人もいます。
自然を守り人の心も癒してくれる苔は、今後も趣味や環境保護の観点からも需要がなくなることはないでしょう。
初心者でも難しいことなく採集から育成までできるので、実益を兼ねる趣味としてかなりおすすめの副業と言えます。

