国内最大手の仮想通貨取引所「コインチェック」は、不正アクセスにより日本円で約580億円もの仮想通貨が流出したとのことです。
これにより、渋谷区に構えるコインチェック本社前には取引所利用者が殺到。緊急記者会見を開く事態となりました。
記者会見の内容と思ったことを書きたいと思います。
大量のNEMがハッキングされた!?
コインチェックは1月26日(金)に「不正アクセスにより約580億円の仮想通貨が流出した」と発表しました。
事件当日、仮想通貨のNEM(ネム)が異常に減っていたことから被害が発覚したとのことで、その日のうちに全ての仮想通貨の出金も停止。
被害に遭った仮想通貨は全て顧客の資産であり、発表があってからツイッター上でも「コインチェック」がトレンド入り。渋谷区にあるコインチェック本社前には多くの取引所利用者が殺到しました。
まさに2014年に起きた「マウントゴックス事件」を彷彿とさせる今回の出来事。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
原因は「セキュリティの甘さ」か
ハッキングされた原因はセキュリティの甘さだった可能性が高いと思われます。
今回被害に遭ったNEMは「マルチシグ」というセキュリティ対策がされておらず、非常に低いセキュリティの下管理されていたそうです。
マルチシグとは、簡単に書くと仮想通貨へのアクセスを複雑化し(複数の秘密鍵を必要にする)、セキュリティの向上を図る技術です。
その対策がされていない通貨が狙われ、結果的に根こそぎ持っていかれたということですね(NEMのほとんどが抜かれたそうです)。
代表はこのマルチシグをしていなかった理由として「セキュリティ対策含め人材不足で間に合わなかった、やる予定だった」とのこと。
これには会見を見て呆れた人も多いのではないでしょうか。
被害者の仮想通貨はどうなる?
最も気になるのが、被害者が所有していた仮想通貨はどうなるのかということですよね。保証などはあるのでしょうか。
これについては「保証は検討中」とのことです。
とは言ってもこれだけの額、おそらく保証は難しいでしょう。
仮想通貨のハッキング被害は中国などでも起きており、犯人を突き止めて取り返すなんてことはほぼ不可能だそうです。
つまりマウントゴックス事件同様、被害に遭われた方は泣き寝入りすることになるかもしれません。
記者会見を見た感想
AbemaTVの緊急記者会見を見た感想としては、一言で言うと「不毛な会見」でしたね。
代表者二人と弁護士の合わせて三人でしたが、27歳と若い和田社長からはほとんど発言はなく終始口を真一文字。記者の質問にも「確認中」「検討中」「調査中」「追跡中」の4フレーズを駆使し、全くと言っていいほど中身のない会見でした。
ツイッターでもつぶやいている人がいましたが、社内写真を見ると確かにコインチェックは「大学生のサークル」のような印象を受けました。
金融リテラシーの低い従業員が「ノリ」だけで運営しているのかと思うほど。
代表の「やれることは全てやっていた」という発言も、ただ火に油を注ぐ結果になったのではないでしょうか。
コインチェックも被害者ではありますが、やるべきことをやらずに被害に遭えば、責任を問われるのも仕方ありません。
まとめ
私もつい先日コインチェックで口座開設したばかりで、これから入金をしようとした矢先の出来事でした。
被害に遭われた方は本当に気の毒だとは思いますが、今回の一件で改めて仮想通貨というものがどれほどリスクのあるものか知ることができました。
私は今回のようなことがあったからといって仮想通貨への投資を止めようとは思っていませんが、取引所の選び方など、今まで以上に慎重になって投資する必要がありそうですね。