「養殖」と聞くとマグロ養殖のように企業が行なっているイメージが強いと思いますが、決してそんなことはありません。
個人で飼育から販売まで、養殖を本業や副業にしてお金を稼いでいる人たちがいます。
この記事ではどのような養殖が人気なのか、養殖を始める上で知っておきたいリスクやデメリットなど、養殖の魅力についてご紹介していきたいと思います。
生き物が好きな方にもおすすめです。
仕入れ値・原価ゼロ!養殖副業の魅力
養殖とは、マグロやウナギ、牡蠣などの漁業関連でもよく耳にするワードですが、ものに違いはあっても人の手で殖やすことを「養殖」と言います。
ですが、今回はマグロのような大きな話ではなく、あくまで個人で行える養殖です。
養殖副業の魅力は何と言っても原価がゼロということ。
生き物が生息する場所へ自分の足で採取しに行けば、仕入れ値は一切掛かりません。
飼育に関しても、養殖する生き物によっては専用の飼育キットもあるため、副業の中では全体的に初期投資はそれほど掛からない部類になります。
養殖でおすすめの生き物
養殖副業の中でおすすめの生き物をご紹介します。
興味のある生き物がいるか参考にしてみてください。
昆虫
苦手な人も多いと思いますが、人気があるのが昆虫の養殖です。昆虫とは、蚕(かいこ)やミミズ、クワガタなどになります。
例えば蚕であれば、実はとても飼育しやすい生き物ということをご存知でしょうか。
蚕にエサをあげるのは幼虫の時だけで、それも1日に1回程度です。蚕は蝉と同じように儚く短い寿命ですが、その短い生涯を終えるまでの過程に作った繭(糸)が売り物になることはよく知られています。
1日1回のエサで、ほぼ放置しているだけでお金を生み出してくれるのが蚕養殖の魅力です。
クワガタの養殖に関しては、稼ぐ人は相当な額を稼ぐほど儲かる養殖とも言われ、人気の種類(オオクワガタなど)は昔からマニアの間でも高値で売買されています。
また、昆虫の中では誰でもすぐに見つけることができる「蟻」も人気です。
蟻の巣を再現した透明のケースに女王蟻を飼うことで、実際のコロニーを再現することができます。その小さな蟻の社会を眺めて癒される人は多く、蟻専門でビジネスを立ち上げる人もいるほどです。
以下の記事では、価値が高い昆虫の種類や昆虫に関連した副業もご紹介しています。昆虫養殖に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
メダカ
見た目の可愛さに癒されることから、メダカ養殖は養殖業の中でも需要が高く人気で、育てやすい点でもおすすめの生き物です。
家族はもちろん、一人暮らしの人がペットやアクアリウムとして気軽に飼い始めることが多い生き物でもあります。
虫に抵抗がある人でもメダカなら大丈夫という人も多いのではないでしょうか。
販売価格の相場は数百円〜1,000円程度と非常にリーズナブルなので、初心者が養殖を始めるならメダカ養殖から始めてみるのがよいでしょう。
メダカについては以下の記事でも解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
まりも
癒し効果の高い人気の植物「まりも」です。
コロコロとした見た目で、水中を漂う様子に癒されると飼い始める人が多くいます。
まりもで大切なことは、適度に水を入れ替えたり光合成をさせることです。特に水は汚れたままにしておくとまりもはどんどん衰弱してしまうので、適度に入れ替えるようにしましょう。
まりもの増やし方は苔と同じで、ちぎって分けたものをそれぞれ育てることで数を増やします。
まりもの養殖については以下の記事でも詳しく書いています。
また、苔ビジネスと同じで手のかからない副業なので、他の放置系副業と併せてやってみるのもおすすめです。
養殖した生き物で稼ぐ方法
生き物が増えてきたら販売して稼ぎましょう。
具体的な販売方法を3つご紹介します。
ヤフオクなどでネット販売
ヤフオクなどでネット販売する方法です。実際にヤフオクでは、オオクワガタが一万円近い価格でも販売されていたり、メダカが100匹のセットで売られていたりします。
相場も分かりやすいのでヤフオクの利用はおすすめです。
フリーマーケットに出店
地域で開催されるフリーマーケットなどに持ち運んで販売する方法です。
フリーマーケットであれば、買い手にとって実際に生き物が見れる大きなメリットや、啖呵売(たんかうり)ができるメリットがあります。
販売サイトを立ち上げる
自分で生き物を売るための専門サイトを立ち上げる方法です。
例として代表的なのが、テレビ番組でも取り上げられたことがある「AntRoom(アントルーム)」です。
このサイトは蟻を専門的に取り扱っており、毎月安定した売り上げがあるとのこと。
初心者にはなかなかハードルが高いかもしれませんが、一つの方法として参考にしてみましょう。
養殖業のリスク・デメリット
次に、養殖業を始めるにあたって考えられるリスクやデメリットをあげてみましょう。
副業を始める際は良いところだけではなく、しっかりとリスクやデメリットも把握しなければいけません。
飼育スペースの確保が必須
前述した生き物はペットとして飼うレベルなら問題ありませんが、養殖として飼う場合はある程度の飼育スペースが必要になります。
どの程度の広さが必要かは生き物によって異なりますが、やはり水槽などは場所を取ります。
そのため、ワンルームなど限られたスペースで生活している方にとっては養殖業は難しい場合があります。
養殖業をする専用の場所を借りるのも一つの方法ではありますが、副業においては少しでも初期投資は抑えたいところです。
潔癖症には難しい
そもそも潔癖症の人が養殖業を始めることはないと思いますが、そうではない人でも飼ってみて初めて気付くこともあります。
例えば、部屋にこもる生き物独特の匂いが意外とキツく感じる場合や、住んでいる場所がマンションやアパートであれば、匂いで隣人トラブルになる可能性も考えられます。
また、生き物との共同生活になればその空間で食事をすることもあるでしょう。
火災や自然災害の被害
養殖業は火災などの被害に遭うとその全てを失ってしまう可能性があります。
アフィリエイトのようにパソコンが故障してもデータはサーバー上にある場合などは問題ありませんが、物として価値がある場合はどうしてもデータのようにバックアップを取ることはできません。
火災に限らず、地震や台風など考えられるリスクには常に備えておきましょう。
販売・配送方法が限られる
ネット販売で使いやすいメルカリでは生き物が販売できなかったり、送れる生き物と送れない生き物がいたり、制限やルールが厳しいのが難点です。
ヤフオクなどで商品が売れた場合、利用する配送会社によっては特約締結書というもので確約させる必要があるので、少々手間がかかる点を念頭に置いておきましょう。
養殖をしなくても小銭を稼ぐ方法
珍しい生き物(その地域にしかいないような虫)は採取してそのまま販売する方法もあります。
養殖と同じように売れるまでは飼育する必要がありますが、需要があればすぐに現金化できるのが魅力です。
例えば、「部屋にいた虫が1,000円で売れた」なんて話も実際にあります。
住んでいる場所が森や川など、自然が多い地域ならそれだけでお金に囲まれているようなものです。
そういった方は住んでいる環境を最大限に活かしましょう。海が近くにあるならクラゲなどもおすすめです。
まずは採取から始めて小銭を稼ぐと、いろいろわかってくることもあるでしょう。
養蜂家としてはちみつを販売して稼ぐ
養殖とは少々毛色が違いますが、育てて稼ぐという意味では似たジャンルとなる「養蜂家」です。
ご存知のとおり、ミツバチが作るはちみつを採集して販売します。
養蜂と聞くと田舎の広い土地を利用して行なっているイメージがありますが、それなりに緑地があれば都会でも養蜂は可能で、ミツバチはコンクリートだらけの都会でも問題なく生息することができます。
具体的にはビルの屋上や少し広い庭などがよく、ミツバチにとって過ごしやすい環境になります。
養蜂に必要なニホンミツバチやセイヨウミツバチは針や毒を持っていますが、スズメバチのような凶暴性はなく比較的おとなしい益虫です。積極的に人を刺すことはありません。
養蜂家の人がミツバチにたかられながら、素手ではちみつを採集している様子を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
はちみつは「栄養満点」「殺菌力が強い」「風邪にも効く」といった、万能薬とも言える食材です。
とても人気が高い食材なので、健康意識が高い日本では常に安定した需要があるでしょう。
ただし養蜂を始める場合は一点だけ、以下の注意事項があります。
日本では2012年6月に養蜂振興法(昭和30年8月27日法律第180号)が改正され、原則として蜜蜂を飼育する場合には都道府県知事への飼育届の提出が必要となった。
引用元:ミツバチ-Wikipedia
あくまで届出を出すだけですが、始めたい場合は上記のことを忘れずに行いましょう。
養蜂の副業についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
まとめ
養殖は副業の中では多少準備や手間がかかりますが、一度販売までのサイクルができればそれほど難しいものではありません。
投資などに比べてコストもかからないため、自然が多い場所で生活をしている人にはおすすめの副業と言えます。
昆虫採集や飼育を趣味にしている方は養殖業も始めてみてはいかがでしょうか。
また、「どうしても生き物は苦手だ」という人には似たようなジャンルで『多肉植物ビジネス』や『苔ビジネス』などもあります。以下の記事も参考にしてみてください。
売り上げが安定してきたらネットショップに自分のお店を持ちましょう。