山林などどこでも見つけることができる『苔』ですが、この苔を「観賞」や「園芸」として楽しむ人が多いのをご存知でしょうか。
その苔人気を利用して専門のビジネスや副業を始める人もいます。
今回は苔を拾ったり増やしたりして稼ぐ副業についてご紹介していきましょう。
どこにでもある苔がお金に変わります。
どこにでもある苔で年商3,000万円!
山や森の湿った場所によく生えている「苔(コケ)」ですが、その種類は日本だけでも約1,700種類以上あるとも言われ、種類によっては高額で売買されることもあります。
ある人は自前のトラックを走らせて山へ向かい、採集した苔を繁殖させて販売を始めたところ、なんと年商3,000万円以上を売り上げるほどに!
苔に目をつけてビジネスにしたところ大成功しました。
このように観賞用としてだけではなく、ビジネスとしても需要が高い苔ですが、具体的にどんな人にどのような目的で需要があるのでしょうか。
増える苔の需要!儲ける方法とは?
苔ビジネスを行う人が主な取引先としているのが「お寺」や「造園業者」です。
庭園など敷地内を苔で覆い尽くすにはそれなりの量が必要となり、それら苔を全て自分で用意することはできません。
そこで依頼するのが苔を取り扱う業者です。上でもご紹介した年商3,000万円を売り上げているような人たちですね。
過去にクラゲビジネスでも書いたことがありますが、このようなお得意様をつくれば安定した収入を得ることができます。
また、近年では都心の緑化が進んでいることや(神奈川県某所では苔で屋上を緑化しているところもあります)、個人で苔をインテリアとして飾る人もいます。芸能人だとアンガールズの田中卓志さんが大の苔好きで知っている方もいるでしょう。
苔好きにはその見た目がたまらなく可愛かったり、もふもふの触り心地がやみつきになったりと虜になる人が多く、「苔ボトル」や「苔玉」、「苔テラリウム」を部屋に置いて癒されているそうです。
苔にハマる女性を「コケガール」なんて呼んだりもします。
予約殺到!?大人気の苔ツアー
世の中にはさまざまなバスツアーがありますが、中には苔の名所を巡る「苔ツアー」なんてものがあるのをご存知でしょうか。
ツアーを始めてからおよそ3年で利用者は急増し、多くの種類を鑑賞したり実際に触ることができます。
以下はツアーでも人気の苔名所です。
- 神奈川県「箱根美術館の苔庭」
- 石川県「叡智の杜」
- 福井「平泉寺白山神社」
- 京都「三千院」「祇王寺」「西芳寺」
- 長野「白駒の池」
- 群馬「チャツボミゴケ公園」
- 鹿児島「白谷雲水峡」
神社仏閣が数多くある京都には苔の名所もいくつかあります。
ちなみに鹿児島県の白谷雲水峡は、あのジブリ映画「もののけ姫」のモデルにもなった有名な観光地です。
副業にしてみたい方は苔を知る良い機会になると思うので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
苔を入手する方法
苔を入手する方法をいくつかご紹介します。
具体的にどこで仕入れればいいかわからない方は参考にしてみてください。
自然の多い場所へ拾いに行く
山林や湿原などへ足を運び直接苔を仕入れる方法です。
種類により条件は変わってきますが、苔は湿度が高く日射量が少ない場所に生えやすい植物です。
条件に合う場所があれば、比較的簡単に木や石の表面で見つけることができます。
採集する際は葉がバラバラにならないよう丁寧に剥がしましょう。拾って稼ぐ副業に興味がある方は以下の記事も参考にしてみてください。
花屋や園芸店で購入する
苔は一般的な花屋や園芸店でも置いているところはありますが、探すのであれば苔の専門店をおすすめします。
専門店の方が扱う苔の種類も多く、店の人に聞けば苔についてもいろいろ話を聞くことができるでしょう。
ネットショップで購入する
苔を扱うネットショップもあります。
専門店同様、豊富に種類を揃えていることもあるので、相場を知るためにもチェックしてみましょう。
メルカリなどのフリマアプリで購入する
フリマアプリのメルカリでも苔を購入することができます。
出品している人は意外にも多く、苔はフードパックに詰められた状態で販売されています。
価格相場は苔の量や種類にもよりますが、フードパック1つ分でおよそ500円〜1,000円になるでしょう。
苔を増やす方法
苔の増やし方は一般的な植物に比べて何パターンかあります。
いくつか例をあげますが、苔の種類によって増やし方は異なってくるので、必ず事前に種類に合った増やし方を調べておきましょう。
蒔いて増やす
苔そのものを土の入れた容器に蒔(ま)いて増やす方法です。
苔の葉となる部分をハサミなどで細かくして土壌に蒔き、霧吹きで水を与えてから容器に蓋をします。
あとは時間の経過と共に徐々に新芽を出して苔らしい姿に生育していきます。
ちなみに苔はエアプランツのように根を持たないため(苔を剥がすと見える根のような部分はただしがみつくための器官)、葉や茎から水を吸収します。
切り離して増やす(株分け)
まるでゲームにでも出てくるスライムのような増え方ですが、苔の一部を切り離して増やします。「株分け」とも言います。
多肉植物の葉をちぎって増やす方法やエアプランツの株分けと同じように、二つに切り離した苔をそれぞれ新たな生命体として育てます。
ちぎる際は手で優しくほぐすように切り離しましょう。
新しい清潔な容器に移したら、あとは通常の苔同様に水を与えて育てます。
胞子を飛ばして増やす
胞子体から胞子を飛ばして増やす方法です。
種類によって胞子をまく時期は異なるので、種類ごとに把握する必要があります。
苔を育てるのは簡単?ある程度の知識は必要
苔はその種類の多さに加えて育てるのに適した環境も変わってきます。
それでも基本的には、少し光が当たる程度の場所に置いて定期的に水をあげるだけなので、初心者でも簡単に育てることができます。
毎日頻繁に状態をチェックする必要はなく、放置で勝手に育っていくので、育てるのが面倒臭い人にもおすすめの副業です。
苔についてまったく知識がない不安な人は、前述した苔ツアーや専門店、あるいは参考書などを購入して調べてみましょう。
詳しい育て方については以下の記事も参考にしてみてください。
種類ごとの価値を把握する
苔は種類によって価値が大きく異なるので、副業にする際は種類ごとの価値を知っておきましょう。
例えば「カサゴケ」は苔の中でも高級とされており、その相場は5,000円で売買されることもあります。
しかしその分、カサゴケは苔の中でも比較的栽培が難しいと言われる種類です。カサゴケの他にはヒカリゴケなども貴重で高価な苔になります。
なるべく価値の高い苔を豊富に採集できる場所を探してみましょう。
まとめ
苔を採集・繁殖させて稼ぐ副業ですが、基本的には初心者でも育てられる簡単な植物ですが、日当たりや湿度など苔に適した環境をちゃんと整える必要があります。逆を言えば環境さえ整えれば放置でもすくすく育ちます。
採集できる場所があれば仕入れに費用も掛からないので、苔ビジネスを「割の良い仕事」と見る人もいます。
苔が元々好きな人にとっては、趣味が実益を兼ねるたまらない副業になるのではないでしょうか。
また、中には苔農家として苔を専業にバリバリ稼ぐ人たちもいます。詳しくは以下の記事もご覧ください。
苔ビジネスは忙しい人にもおすすめの放置系副業です。