年金だけで暮らせないのは当たり前なのか、貯金なし年金のみの生活について貧困の原因や対策を徹底解説します。
年金の平均受給額は男女間でも大きな差があり、持ち家や賃貸、副業などによる副収入があるかどうかでも生活の質はまったく異なります。
今現在年金暮らしで困窮している人や、将来年金で苦労したくない人など、定年退職しても働きたくない人は参考にしてみてください。
年金問題は誰でも直面する可能性があります。
年金だけでは暮らせない!老後でも労働を強いられる生活
年金制度は、老後の経済的基盤を支えるために重要な機能を果たしていますが、日本の少子高齢化が進む中でその持続可能性が問われています。
現役時代に準備された貯蓄や年金だけで安心して暮らすことができない状況が増え、老後も労働を余儀なくされる人が後を絶ちません。
特に物価の上昇や医療費の増大に伴う生活コストの増加は、年金受給額では賄い切れない場合が多く、老後でもアルバイトやパートを探して生計を立てているケースが増加傾向にあります。
退職後も働き続けることは社会参加を通じて人とのつながりを保ち、心身の活性化になると言われることもありますが、体力や健康に自信がない人や、仕事を見つけるのが困難な人もいるなど、働きたくても働けない場合があるのも問題です。
社会保障制度の充実や企業による高齢者雇用の推進、再就職やキャリア形成の支援が課題とされていますが、高齢者自身にとっても、将来に向けて適切な資産管理と生活設計が必要不可欠と言えるでしょう。
老後を安心して過ごすためには、公的支援と個人の備えの両方が重要です。
年金の平均受給額はいくら?男女で大きな差がある
日本における年金の平均受給額は、厚生労働省による最新の公表資料によれば、さまざまな要因によって変動しています。特に男女間での差が指摘されることも少なくありません。
具体的な年金受給額は以下のとおりです。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報」(令和3年度)によると、会社員が加入する厚生年金保険受給権者(受給する権利がある人)の平均年金月額は、男性が16万3380円、女性が10万4686円と、女性は男性の3分の2に過ぎない。
引用元:新社会人のための経済学コラム
男性は16万円あるのに対し、女性は10万円しかありません。この金額では切り詰めてギリギリの生活をしている人は多いでしょう。
男女間の年金受給額の違いは生涯の労働期間や収入の差異に起因するとされ、この差異は公的年金受給額の平均値にも反映されています。
男性のほうが長期間フルタイムで労働市場に参加する傾向が強く、結果として高い年金額を受け取ることが一般的ですが、女性の場合は育児や介護などの理由でキャリアにブランクが生じがちであり、パートタイム勤務をすることも多く、これらの要因が受給額に影響を及ぼしています。
日本の年金制度では、老齢基礎年金や老齢厚生年金などが主な受給対象となっているため、こうした生涯にわたる労働状況の違いから、男女それぞれの平均受給額には明確な隔たりがあります。
年金受給額の平均値や性別間のギャップに注目が集まるのは当然と言えますが、公正でバランスの取れた年金受給が実現するためには、働き方の多様化や女性の活躍促進などが鍵になってくるでしょう。
年金だけでは生活が苦しくなる3つの原因
老後の安定した生活を送るためには、年金以外の収入源や資産が重要です。
具体的に何が起因して年金だけでは生活が苦しくなるのか、主な3つの原因を解説します。
貯金が一切ない
年金生活に入ると、体調不良や思わぬ出費が発生することもあります。
たとえば医療費や介護費用が増えてしまうなど予測外の事態が起こり得るため、貯金がない状態だとそのたびに生活が圧迫されます。
さらにインフレによる物価の上昇や貯蓄がないことによる購買力の低下など、年金だけの収入では予期せぬ支出に対処できず、生活の質が下がってしまう可能性が高くなります。
老後30年間で2,000万円の貯蓄が必要と言われる『老後2,000万円問題』もありますが、2,000万円どころか1,000万円もない人もいるでしょう。
持ち家ではなく賃貸
持ち家がなく賃貸で暮らす場合、家賃は月々の固定費として継続して発生します。年金収入が少ないのに賃貸住宅に住むと、家賃の支払いに年金の大部分を充てる必要があり、生活費を圧迫する要因になります。
固定資産税やリフォームなどのメンテナンス費用がかからない点は賃貸のメリットですが、高齢になるにつれて収入が減少する中では、家賃の負担は増える一方です。
また、それに加えて賃貸の場合は大家さんの急な家賃の値上げや更新料の支払いなど、ほぼ強制的に出費が増えてしまうこともあります。
家賃が2万円くらいで住む地方に住んでいる場合や、持ち家でもローンが残っている場合は一概に持ち家が良いとも言い切れませんが、基本的には賃貸のほうが生活は苦しくなってしまう傾向にあるでしょう。
収入源が年金のみ
いくつか収入源があれば、たとえ一つの収入が減少しても他の収入によってバランスを取ることが可能ですが、すべての収入が年金に限定されていると、支出次第でいつ生活が破綻してもおかしくありません。
物価や税金が上昇する一方で、年金の額はそれに追いつかない場合、購買力の低下や貯金の取り崩しが進み、貧困につながるリスクが高まります。
年金以外に投資収益や副業など、多角的な収入源を持つことが生活の安定になるでしょう。
収入源を増やす努力はいつ始めても遅いことはありません。
高齢者の就業率も年々増加傾向
年金だけでは暮らせないと言われることについて、その明確な根拠となるデータがあります。以下の総務省統計局が公開している資料をご覧ください。
画像出典:高齢者の就業|総務省統計局
資料を見ると、一目瞭然で高齢者の就業率が年々増加しており、老後の貧困を如実に物語っているのがわかります。
もちろん中には、単純に社会とのつながりや必要とされたくて働いている人もいると思いますが、その多くは年金だけでは暮らせないために仕方がなく働いているのが実情です。
家賃や食費、医療費など、生きていくためにあらゆるお金がかかるのに、たった10万円の年金で生きていけるわけがありません。
老後に備えて「働かない」収入源を作っておこう
多くの人は本業一本で毎月の厚生年金保険料を支払っていると思いますが、これだけ年金だけでは生活できないと嘆く人が多いように、若いうちから収入源を作っておくのは必須と言えます。
早い段階で取り組み、一つでも多くの収入源を作っておくことで、老後はお金に困らない豊かな生活にすることができるでしょう。
このサイトでもさまざまな副業をご紹介していますが、NISAなどの投資、ブログアフィリエイト、ポイ活など、ほとんど自分が何もしなくてもお金を毎月生み出してくれる副業もあります。
副業としてスキマ時間に働く方法もありますが、そのときだけやる一時的な収入ではなく、できれば継続して入ってくる収入源を作ることをおすすめします。
肉体労働やデータ入力の副業では体調不良で動けなくなった時点で収入が断たれてしまいますが、たとえば安定して成長を続ける米国株に投資したり、放置サイトでアフィリエイト収入を得れば、自分がどんな状況にあっても収入が断たれることはありません。
副業の理想は「働かない」収入源なので、年齢を言い訳にしてパソコン操作を敬遠したりせず、貧しい老後を迎えないための対策を今からしていきましょう。
まとめ
年金だけで暮らせないのは当たり前なのか、貯金なし年金のみの生活について貧困の原因や対策を解説しましたが、年々増え続ける高齢者の就業率を見てもいかに困窮している人が多いかわかります。
貯金がなく、賃貸暮らしで年金のみだと、満足に一日のご飯を食べることもままなりません。
年齢性別問わず、誰でも老後の貧困に陥る可能性はあるので、働かないでも入ってくる収入源を一つでも作って老後に備えましょう。
副収入があると安心感が違います。